この作品は原作が大好きな作品で、アニメ化しても原作の良さが損なわれずとても良かったです。一番好きなのは雰囲気で、矢代と百目鬼の二人の空気感が好きです。お互いを好きだと感じているのに気づいていない、でも心が揺れているという感じが見ていて切なくなるけど惹きつけられるこの作品の魅力だと思います。みんなが矢代をなんとなく哀れみや蔑んで見ている中で百目鬼だけが本当の矢代を見ている感じがして二人の距離の近さを感じます。また七原が出てくると一気に空気が明るくなるそのギャップも好きです。その他にも声優さんが好きです。いい声の方ばかりで、聞き惚れてしまいます。原作を知っているのでこの先もわかっているのですが、アニメ化されたら続きがどのようになるのかとっても気になります。 30代 女性
本作は裏社会に生きる美しき若頭と彼に惹かれることをやめられない部下の愛を描いた物語。原作では割とコミカルな描写も挟んであるのですが、劇場版ではそういったお遊びのシーンは端折り気味で、本筋を際立たせる形で絵柄も原作の独特な雰囲気を壊さないようにして作られているように感じました。掴みどころのない若頭・矢代を新垣さんが、彼に仕える真面目な用心棒・百目鬼を羽多野さんが演じられていましたが、矢代がまとっている色気や百目鬼の素朴さなど、イメージに合っていて素敵でした。矢代は自分をあまり大切にしているようには見えず、自らを卑下しているように見えますが、その胸中には色々と複雑なものを抱えており、そんな矢代に真面目さをからかわれながらも健気に傍に居続ける百目鬼の姿に心惹かれます。舞台が裏社会なので物騒なシーンが多いですが、矢代と百目鬼の艶っぽいシーンは雰囲気があり、タバコの煙なども大人な雰囲気でとても好きでした。音楽もジャジーなテイストで作品に寄り添う形で奏でられていて素晴らしかったです。原作はまだまだ続いているので、劇場版アニメも続編を期待しています。 40代 女性
原作通り過ぎて18禁なのも頷けます。キャストもドラマCDと同じ声優陣を起用しています。雄々しい男達の任侠BLですので、めっちゃシリアスな作品です。漫画の過激な表現に一切妥協することなく完全再現されているので一人きりの時間を見つけてはこそこそ見ました。オモイノタケが歌うテーマソングがまた切なくてエンドクレジットでじーんときました。気になってPVも見ましたがめっちゃ泣けてきます。性描写等もあるので中々簡単に人に勧められませんが、主人公の心理描写や淡い恋心が切なくて、こうゆうの好きな人に薦めたいけど、人を選ぶ感じでちょっと難しいです。新刊発売された時に今作のサイドストーリーがDVD化されるそうで、ボーナスが出たら是非購入したいと思います。 30代 女性
ヤクザの世界を舞台にしたBL作品。百目鬼の矢代に対する忠誠心と情愛が混じり合ったような、不器用な恋が見どころですね。BL作品だから、男が男を好きになるのは当たり前なのですが、そのことに悩む描写があるのもリアリティがあって良いですね。「人を好きになる孤独」という言葉が、グッと胸に刺さりました。ヤクザの世界だから、暴力が吹き荒れるバイオレンスな場面も多々ある訳ですが、そんな中でも繊細な心理描写が描かれているので、画面に惹き込まれてしまいます。また登場人物の心理状態を反映した、背景の作画、街のネオン街なんかも情緒があって、とても感じ入ることができました。まだ続きがありそうな終わり方でしたので、続編にも期待したいですね。 30代 男性
映像化されることによって残念な仕上がりになってしまうのかと思い、放映されてすぐには観ていませんでしたが、実際に観てみるとかなりクオリティーが高くて全く映像化されたことでの不満を感じさせられませんでした。声優さんがピッタリとキャラクターに当てはまっていて、声だけで全ての表現がしっかりとされていて驚きました。好きな人がこんなにも近くにいるのに手が届かない、それでもそばにいられるだけでいいのだという事実に対してとても切ない気持ちになってしましました。心に響くようなセリフも多く使われていて、見進めていくに連れてどんどんストーリーに引き込まれていきました。結構過激なBL作品に仕上がっていたので、過激でも平気な人にお勧めしたい作品です。 20代 女性
アニメ「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」を観て、「必死に生きる矢代」と「2人の複雑な関係性」が良かったと思いました。まず、必死に生きる矢代についてです。このドラマでは、真誠会若頭の矢代の様子が描かれます。矢代は、若頭として優秀な働きぶりを見せているものの、先が見えずに不安を感じる日々を送っています。矢代がスッキリしない気持ちを感じつつも貪欲に生きようとするところに親近感を感じながら観ていました。次に、2人の複雑な関係性についてです。矢代は、用心棒としてやって来た百目鬼と出会い、だんだんと気になる存在になっていきます。矢代と百目鬼がお互いを求めあっていくところにドキドキしながら観ていました。 20代 女性
大人の雰囲気が漂う世界観の中での男同士の切ない心と、それを彩るスタイリッシュな劇中の音楽が素敵な作品です。主人公である若頭の矢代が元警察官である用心棒の百目鬼と出会う事から始まるこのストーリーは裏社会の暗くて汚いものが渦巻く中で誰にも見せず切なく苦しんでいる矢代がとにかく美しくて魅力的。医者である影山を思っている矢代は自分が振り向いてもらえない事を知っていながら関わり続けていて、その影山が出会った久我に惹かれていた事も知っていたが離れる事は出来ない。受け入れる事もせず拒否もしない残酷な影山がいる中で出会った百目鬼の矢代に対する絶対的な服従心が何を意味しているのかをそこを感じ取るのがこの作品の醍醐味だと思います。劇中で流れる曲はスタイリッシュかつ切ないピアノが素敵で、特に最後のエンディングのエンドロールで流れる主題歌「モラトリアム」がこの映画の切ない部分を一気に演出して涙が出ます。年齢指定もある作品ですので全てが思い通りに行かない事を知っている大人な世代に特に響く作品だと思います。 30代 女性
アニメ「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」で良かったところは、「登場人物たちの背景」と「暴力団員たちの交錯する気持ち」です。1つ目は、登場人物たちの背景です。このアニメでは、暴力団に所属する人々の様子が描かれます。暴力団員たちは、警察官として働いていたものの仕事を辞めざるを得なくなったなど、辛い過去を持っている人々も多くいます。暴力団員たちの、計り知れない過去に驚きながら観ていました。2つ目は、暴力団員たちの交錯する気持ちです。暴力団員たちは、活動を通して危機に陥るなどしていく中で、恋愛感情などをぶつけ合っていきます。暴力団員たちの気持ちが絡み合っていくところに、この先どうなるのだろうと気にならずにはいられませんでした。 20代 女性
ヤクザの若頭と元が付くとは言え警察官の組み合わせや、強面な男性がマゾヒスティックな性癖を隠し持っているという設定はR18のボーイズラブ作品としては定番と言って良く、ストーリーそのものもかなり王道を行っていましたが、淡々としつつも情感たっぷりな演出や言葉少ななのにリリカルな間の使い方が素晴らしく、じんわりと余韻に浸ることが出来るエンディングテーマなど音楽による盛り上げ方も印象的な良作でした。また、静と動のメリハリが効いていたおかげで、約90分間をフルに集中して物語を楽しむことが出来ました。声優さんたちの媚びすぎていない演技にも好感が持てましたし、男性同士の恋愛をテーマとしているがゆえに多くの人が観るアニメでは無いのが勿体ないと思えるほどスタッフさんらの熱意が伝わってくる作品でした。 30代 女性
作中で矢代がぽつりとこぼす非常に印象的なセリフの通り、奔放に振る舞いたくさんの人と体を重ねてもかねてより恋心を抱き続けている相手のことが忘れられず、陰惨で壮絶な過去の影響により誰かに心を明け渡すことも出来ない彼は本質的に孤独で、その二面性が、舞台となった新宿の表向きネオンが煌めく華やかな街並みと性と暴力に汚物にまみれた裏側のコントラストや、あるいは往来を埋め尽くすほどの人々が互いに無関心のまま行き交う姿とシンクロしているようで、その計算の見事さに思わず感嘆の息が漏れました。男性同士で性的に絡むシーンを度々挿入するのも、世界観をストレートに表現するような音楽ではなくあえてジャズでやや外しにかかっているのも、単なるサービスカットやスタイリッシュさの演出以上に、矢代の複雑で不安定な人となりを暗喩的に示す重要なファクターとなっていると感じられました。 30代 女性
滅茶苦茶面白いと思いました。最初は男性ではなく女性向け作品と聞いていたので多少身構えて視聴したのですが、個人的にはかなりハマりました。なにより登場人物が全員魅力的で、カッコいいのがいいですね。ストーリーも映画ならでは、という感じでうまくまとめてあって後腐れもなく、非常にテンポがいいのに見た後の達成感のあるいい作品です。特筆すべきは作画の良さですね。滅茶苦茶作画がいいので、ずっと見ていられます。しかもCGをそんなに使っていないので合成の違和感も全くなくストレスフリーに作品を最後まで見られるのはとてもいいと思いました。続編は望みませんが軽いスピンオフや外伝、主人公一味以外のキャラクターの掘り下げなどがあればいいですね。 30代 男性
友達に勧められ3度ほど視聴しました。1度目の視聴は流し見だったのであまり覚えてはないのですが、2度目3度目と繰り返すうちにどんどん好きになってきて、今は4回目を考えている最中です。この作品のみどころはやっぱり人間ドラマですね。様々な葛藤や思いを抱えるキャラクターたちが交錯し、すれ違い、お互いを理解していくその工程や道筋がとても世界観にマッチしていて私はかなり好きです。作画もかなり良くて、普通の深夜アニメの映画化とは比較にならないぐらいの作画力があるので、作画がいいアニメが好きな方には期待を裏切らない出来になっていると私は思います。少し続編をにおわせるような終わり方をしているので続き物にも期待したいです。 30代 男性
さすがに映像美が素晴らしい。内容的には人を選んでしまう部分があるのは仕方がないのです。なぜかといえばそれはBLコミックが原作であるから。その手の表現などが厳しい人には向いていないかも。声優さんもさすがの演技。非常にエモいです。心理描写も実に良い。ヤクザな世界の男臭さとバイオレンスさ、そんな中での主人公たちの感情が非常にクる感じでした。好きな対象が同性である、ということでの孤独、そしてラストの悲しいというか、なんともいえない部分。それがとても引き出されていました。原作ではもう少し続くみたいな話を聞きましたが、ラストはむしろこれだから良かったという気分です。キャラと声があっているので雰囲気が凄くよかった。 30代 女性
原作は未読でいきなり劇場版アニメの方から観ました。そんな私が観た第一声の感想はエモいでした。世界観、画、ストーリーどれもがエモく繊細で魅力的でした。人を好きになる孤独、それが男だという絶望、私には到底想像できない美しくも残酷な世界に何とも言えない気持ちになりました。B?度としてはなかなかのものでおそらくR18、少なくともR15ではあったと思います。B?系の作品はたまに観ますがまだまだ浅いのでそんな私には少し驚いたシーンもありましたがそれ以上に切なく残酷なきれいな世界観にただただ酔いしれていました。人を好きになることが孤独なんて考えたこともなくいろいろ考えさせられることもたくさんありました。まだまだ私の人生経験、恋愛観は浅いのだなと思いました。B?系の作品が大丈夫だという人には絶対に1度観てほしい上質な作品です。 20代 男性